僕の妻はリアルブラックジャックの巻
瞬間接着剤が指に付いた場合の対処法を知りたくてこのページに来た人は「瞬間接着剤が指に付いた場合の対処法」で解決するかもしれない。妻がこの後どうなったか知りたい人はこのまま読み進めることをオススメする。
これは昨晩の子供が寝静まったころの話である。子供に寝付くと僕の家には静寂が訪れる。この時間帯の作業効率は子供が起きている時間帯とは比べ物にならない。この時間帯こそが集中できる唯一の時間なのだ。
僕は集中していた。集中しまくっていたのだ。周りの雑音など一切聞こえない。いい感じにアドレナリンが分泌されてきた。そんな矢先の出来事だ。
奇妙な声が聞こえてくる。
「たすけて・・・」
なんだ、この不気味な声は。。。恐る恐る後ろを振り向くとそこには床に座り込んでいる妻がいた。何をしているのかは分からないが、妻がたすけてと訴えているのだ。
貧血だろうか。すぐに駆け寄るととんでもないものを目にする。それがこれだ。
なんと、家具の小口に指がくっついているではないか!何が起こったのだ!?妻に問い詰めると「瞬間接着剤が指についてとれなくなった」と妻がいう。馬鹿すぎる。僕は一瞬にしてテンションが上がる。妻の緊迫した状況と僕のテンションが化学反応を起こし、凄まじい温度差が産まれたのだ。
なぜこのような状況になったのかは僕の範疇外の出来事だ。妻の名誉のためにも事実は伏せておくことにする。
とりあえずネットで指についた接着剤をとる方法を検索してみる。すると出るわ出るわ。同じコトをする人間は巨万といるようだ。接着剤をとる方法の多くは、40℃くらいのお湯の中でもむようにすると徐々にはがれるというものだった。だが、妻の現状は他とは決定的に違う点がある。
ネット上でのそれぞれの状況を見てみるとほとんどが指と指同士がくっついてしまった状況であった。なので、40℃くらいのお湯の中につければとれていくのかもしれない。
だが、妻は違う。指と家具の小口に接着剤がついており、身動きができないというレアなケースなのだ。お湯につけることもできないので、とりあえず応急処置で熱いお湯にタオルを湿らせ指にあてた。
だが、簡単に剥がれるはずもなく時間だけがいたずらに流れていく。暇だ。僕は暇になった。この状況を見ているだけは暇なので、これを後世に残すためにカメラを手に取る。
僕はシャッターを切る。カシャッ。カシャッ。シャッターを切る。カシャッ。カシャッ。
妻は僕に問う。心配はしないのかと。僕は心配しないわけがないと激怒する。愛する妻を心配しない旦那がどこにいるのだ!と捲し立てた。だが、僕の顔はニヤついていた。僕自身でも分かるくらいなので妻にはもっと分かっただろう。
だが、そんなことは問題でははない。カシャッ。カシャッ。僕はシャッターを切る。
しかし、なかなかとれないものだ。何度かタオルをとりかえる。でもとれない。こうなったらしかたないと僕はおもむろに立ち上がる。そこで引き出しの中からメスを取り出したのだ。
妻に近づく。僕は神妙な面持ちで妻いう。これはもう手術するしかないと。僕に全てをまかせるのだと妻にいう。妻はいやだと訴える。すると妻が僕のもっていたメスを貸せといってきたのだ。
まさかとは思ったが、案の定自ら手術することを主張し始めた。自ら手術をするなんてブラックジャックの世界ではないか。まさにこの瞬間ブラックジャックが降臨したのだ。
妻は自らの手で手術をしはじめた。僕は呆然とする。それから数分後、僕はデスクに戻りyahooニュースをチェックしていると「とれた!」という妻の歓喜の声を聞いたのだ。
こうして、いつもの静寂の時間を取り戻した僕は寝ることにした。
追記-2015年7月16日
このページに「瞬着 指と指 お湯で取れない」で検索した人がいたようだ。お湯でも取れなくて必死だったことがうかがえる。同じ犠牲者がでないよう、ここに瞬間接着剤が指に付いた場合の対処法を残しておく。
瞬間接着剤が指に付いた場合の対処法
まずは、瞬間接着剤が指に付いた場合のよくある対処法をまとめてみた。
- 皮膚同士(指と指、指と手など)がくっついた場合は、40℃位のお湯の中につけて剥がれるのを待つ
- 瞬間接着剤用のはがし液(ボンドアロンはがし液など)を使う
- アセトンを主成分としたマニュキュアの除光液で溶かす
かなり調べてみたが、ほぼほぼこの内容で完結している。中でもダントツに信頼度があるのが40℃位のお湯の中につけておく方法だ。はがし液なんて普通持っていないだろうし。マニュキュアの除光液なんて男にとってはかなり不利な条件だ。だからとりあえずお湯につけることが第一の対策だ。
僕の妻のようにお湯をつけれない場合は、とりあえずお湯につけたタオルを軽く絞り若干水分を含めた状態でつけておくと良い。妻いわく、徐々にやわらかくなっていったようだ。ただ、お湯だけでは取れない。調べた中で一番注意することの多くが無理に剥がさないことだ。
無理に剥がすと皮が剥がれるという理由からのようだ。もし指の腹同士がくっついている状態なら、その内側から鉛筆を回しながら押していくときれいに剥がれるという情報もあった。TVでやっていたらしい。
それでも取れない場合は、やはり手術しかない。カッターでくっついている面と寸分狂いなく平行にしてカッターの刃先を少しずつカリカリしていく。少しずつお湯につけながら刃を入れていくと思いのほかスムーズにいくようだ。
妻の場合は皮が剥がれておらず、普通の状態で剥がすことができた。何をやっても無理な場合は、ブラックジャックになることをオススメする。