娘のウィンドウショッピングに付き合わされる。
今日は妻が午前中に髪を切りに行くというので、娘と留守番をすることになった。妻が出かけてから娘は一人で遊んでいる。僕もやることがあったので、それに没頭していた。すると突然娘が近づいてきた。
娘が近づいてくるとろくなことがないということは、ここ数ヶ月の娘の行動が物語っている。すると娘が僕の腕を引っ張る。僕が立ち上がるとそのまま腕を引っ張った状態で玄関に向かった。
すると娘が言う。外に連れて行けと。散歩かと思いしょうがないので、少し外にでることにした。外に出ると特に目的もなかったので、まるで犬の散歩のように娘が進む方向へ黙って付いていくことにした。歩くこと数分。そこは近くのスーパーだった。
娘は中に入ると言う。中に入ると娘が更に進む。向かった先は2階へと通じるエスカレーターだ。そのままエスカレーターに乗り込むと娘が走り出す。娘が向かった先は、水着コーナーだ。
娘は何も言わずに水着を物色し始めた。まるで今年の夏に彼氏と海へ旅行にいくかのようにショッピングを楽しむ。
どうやら、2つ気に入ったものがあったようで交互に自らの体に合わせている。しかし、目の前に鏡はない。
すると右手に持っていた水着を元の場所へ戻した。どうやら左の水着にしたようだ。
と思いきや左手の水着も元に戻す。どちらともお気に召さなかったのか。
今度は、なぜか右手の水着をわざわざ後ろから取ろうとしていた。だが取れない。まるで鼻先にニンジンを吊された馬のように必死で水着を取ろうとしているが取れない。
数十秒もがいているとやっと気づいたようだ。また物色し始める。
水着を見た後は、幼少のころ水着を着替える際によく利用していた巻きタオルを物色する。
そして、最後は忘れてはならないビーチサンダルだ。これがないと今年の夏は始まらないといわんばかりに品定めをしている。僕は何も言わずに娘を待つ。すると娘がまた僕の腕を引っ張る。
そのままエスカレーターを降りて店を後にする。そのまま何事もなかったかのように家に戻ってきた。どうやら娘はウィンドウショッピングがしたかったようだ。